新星製作所/でんてつ工房 OJキハ58系各種

 以前1/80スケールにて発売致しましたキハ56系にキハ58系を加えて新たに1/45スケールで製品化致します。今回生産の形式はキハ27・56、キハ53-500、キハ28・58冷房改造、キロ28冷房改造の予定です。キハはすべて平窓車です。

 

 16番製品ではかなり作り込みましたので、1/45に焼き直せば製品として耐えうるレベルになるかと思ったのですが、始めてみれば単純に大きくしただけではスカスカで物足りなく安易な考えでした。機器の細密化、配管の大幅な追加をして可能な限り実車に即した再現をすることとしました。

 細部までの資料を求めるのにはたいへん苦労し、各地の保存車を再び、三たびと訪れて見学し、結局16番製品の設計はほとんど使わずにゼロベースでの開発となりました。

 

 機関車ではボンネット内に収納されているような機器類が気動車ではすべて床下に目で見える状態で配管も複雑にとりまわされている上に、室内も見えるので手抜きなく作り込まなくてはなりません。それらをすべて同じ密度で作ろうとすれば機関車に劣らないどころか一層の手間がかかります。その割には車両の見栄えや人気ではどうしても一歩譲る部分があり手間の割に商売的うまみが少ないと言えます。過去に本気で気動車を作り込んだOJモデルあまり見受けられない理由わかった気がします。

 

 この間金属材料の暴騰、海外生産のため現地の物価、人件費の高騰などありながらも中途半端な完成度でお茶を濁すわけにも行かずあれもこれもと部品一つ付け足すたびに費用が追加追加となり散々な苦労しました。もうこりごりという思いもあるのですが大変な苦しみの末に何とか形になった製品の一部を写真にてご紹介致します。

 

 写真では実物の魅力の一部しか伝わらないと思いますのでご関心のある方は是非店舗に足をお運びくださり、実際にお手に取ってご覧いただければありがたく存じます。特に色味などは写真ではなかなか思うように出ないのでここに掲載の写真で違和感を感じられましても実物をご覧いただいてご判断いただければと思います。動力の滑らかさやライティングも実物をご覧いただけるとより魅力が伝わると思います。(本製品は直販限定ででんてつ工房店頭のみの販売とさせていただきます。)

発売アイテムと価格

  • キハ53 507(旭アサ)キハ53 510(釧クシ) 好評発売中

    各 490,000円+税

 

  • キハ56 31(札ナホ) キハ56 37(札ナホ) 好評発売中
  • キハ27 110(札サウ) キハ27 114(札サウ) 好評発売中
  • キハ58 27(福フチ) 好評発売中 キハ58 465(福フチ) キハ58 625(福トカ) 只今準備中
  • キハ28 2053(福フチ) キハ28 2080(福トカ) 好評発売中
  • キロ28 2066(福トカ) 只今準備中

    各 465,000円+税

 

 2023年6月下旬発売開始 (キハ58 465、キハ58 625、キロ28 2066は遅れて発売となります)

 

お申し込みはメールにてお願いします。

 dentetsu@mbn.nifty.com

お電話の場合は営業時間内にお願い致します。金14-20時、土14-18時(接客中で出られない場合があります)

 03-5281-7839(電話/FAX自動切替)

キハ53 507です。

 

前頭部はNCフライスによる削り出し加工で製作しています。この加工方法も以前から価格的に無理をして使ってきたのですが高くなってきたので今後は使えるかどうか心配です。

DMH17Hエンジンです。内部にEN-22モーターが配置されております。

床下にエンジン、ラジエター、機関予熱器、燃料タンクなどが並びます。

北海道型の最大の特徴、二重窓です。内窓を上げた姿を再現しております。

キハ58系各形式は客用窓の周辺に面取りがされて柔らかい印象となっておりますのでプレス型で押してテーパーを再現しました。

サッシ下端のゴムは実車ではそれぞれ3センチの幅があり、窓周りの紅い塗色とのコントラストが印象的なので色入れにて抜かりなく再現しております。

ベンチレーターです。室内からの吸い出し用ダクトの貫通部も実車に即して再現されております。

EN-22型モーターがエンジンの中に収納されており、ユニバーサルジョイントで一軸駆動となっております。スローも良く利いて低速から大変滑らかに走行致します。

エンジン後端の補機ベルト部分と燃料噴射ポンプ、コンプレッサーなどが凍結防止カバーで覆われているのが北海道型の特徴です。

2エンジン車の第二エンジンは形態を重視したダミーとなっております。

後位車端部の床下になります。改造車故にこの部分の資料がなくて大変苦労しました。カプラーはケーディー社のOゲージ用を装着する設計になっております。ケーディーのカプラーポケット自体は使用しないですが、本来の連解・復心機能は発揮出来るようにポケットを設計してあります。

キハ53では後部の助士席側床下に排気管の第二消音器が入ってくることにより車端のぎ装スペースが窮屈になります。制御空気溜めがブレーキシリンダー、スノープローとも干渉しないようにシリンダー下部にオーバーラップさせてぎ装限界ぎりぎりの無理のある取付になっています。このあたりのごちゃごちゃ感が両運転台車の面白みと感じられます。

内部がよく見えるように窓の大きいキハ28の写真です。インテリアはクロスシートをプラ成形品で製作しました。この大きさになるとサッシに窓セルをベタッと貼った接着剤が見えるような状態では格好が悪く、内張の化粧板を別途貼り合わせて室内側からみてもきちんとサッシ窓に見えるように処理しています。

窓際の小テーブル、壁際に沿って足元に配置されたヒーターカバーも再現しました。58系といえば窓側に座ったときにこのヒーターカバーが邪魔で足の置き場に困ったものです。同じ思い出のある方多いんじゃないでしょうか。そして窓際のテーブルには弁当とお茶のポリ容器を載せてキハ58系の思い出は日本全国津々浦々の風景とともに心にきざまれています。

窓上には網棚を配しております。

室内灯はチップ式LEDを5個設置しております。LEDは輝度が高く指向性が強いので室内灯とした場合、陰がまだらになりやすく興ざめなのですが配置を工夫しできるだけ違和感がないようにしました。低速でも灯火類が充分に機能するようにダイオードを応用した電圧降下回路を組み込んでモーターのスタート電圧を高くする設定をしております。またモーター回路切離しスイッチも設けてありますので(キハ53除く)停止状態でイルミネーションを点灯して楽しむことも出来ます。

もう一つ小さなこだわりです。おでこの種別表示ですが、国鉄の気動車や近郊型電車などは字幕の照明が透過光によるものでなく、幕の前方上部に設置された蛍光灯による反射光で照らす外照式となっております。1/45の大きさであれば実物通りに再現できるのではないかと考え、LEDとアクリル板切り出しのプリズムにて実物を模した構造としてあります。

実車同様の位置に光源を配しております。ヘッドライトリムの形状も検討を重ね正確に再現しました。